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おすすめ特集 Q&A もっと楽しいイヌとのカーライフをすごすために。

もっと楽しいイヌとのカーライフをすごすために。Q&A

イヌにもっとクルマを好きになってほしいという想いを込めて、快適で安全なカーライフにまつわる疑問を獣医師水越美奈先生に解説して頂きました。ぜひ参考にしてみてください。

Q5. おでかけ時のトラブル クルマに乗っているとき犬はどんな気持ちなの?

  • クルマに酔ってしまった場合はどうすればいい?
    ANSWER

    A. 酔わないようにこまめに休憩をとるのが基本ですが、もし酔ってしまった場合には、なるべく速やかにクルマを止めて、新鮮な空気をたくさん吸わせましょう。回復したら再びクルマに乗せてもいいですが、一度吐くと吐きやすくなっているので、無理は禁物。ゆっくり運転して、休憩を多めにとるように心掛けて。

  • 熱中症にかかってしまった場合はどうすればいい?
    ANSWER

    A. 車内にイヌを放置して熱中症にさせてしまったという事故がよくありますが、たとえ夏の暑い時期でなくても、絶対にイヌをクルマに残して離れてはいけません。車内の温度が上がりすぎた場合、カラダから熱を逃しきれなくなって、体温が上昇し、熱中症になってしまいます。クーラーをフル稼働させるぐらいでは足りず、涼しい場所に移動して水を飲ませ、カラダに直接水をかけるぐらいでないと、カラダは冷えません。さらに、うちわなどで風を送り、気化熱によって体温を下げます。特に頭や脇の下、後ろ脚のつけ根を冷やすと効果的です。また、熱中症になると、体温調節を行う体温中枢が壊れてしまうため、逆に冷やしすぎて体温が戻らず、死に至ることも。呼吸が落ち着いてきたら、冷やしながらできるだけ早く病院へ連れていくことが大切です。

  • 異物を飲み込んでしまった場合はどうすればいい?
    ANSWER

    A. 口の中に異物がとどまっている場合は、ピンセットや指先で取り除きます。ノドに詰まっている場合は、イヌの肋骨の下付近に前から手を回し入れ、瞬間的に力を入れて持ち上げて、胃の空気で詰まったものを押し出します。完全に飲み込んでしまった場合は、早急に獣医師に連絡し、何を飲み込んだかを伝えること。濃い塩水やオキシドールを飲ませて吐かせる応急処置もありますが、飲み込んだものによっては逆効果になりますし、身体に負担をかけるため、おすすめできません。さらに、木の枝など細くて尖ったものを飲み込んだ場合は、吐き出すことで食道などを傷つけることもあるので要注意。獣医師の指示をあおぎ、できれば早急に動物病院に行くことが最善です。

  • 肉球をケガしてしまった場合はどうすればいい?
    ANSWER

    A. ガラスや木などの鋭利な破片や、釣り針などを踏んで、肉球にケガをすることがあります。異物が刺さっている場合は、無理に処置をしようとしないで病院へ連れていきましょう。下手に触ると、傷口が広がってしまったり、出血がひどくなったりする可能性があります。傷口を生理食塩水か水道水でよく洗い、ガーゼや布で傷口を押さえて、患部を布でくるんで、病院に運びましょう。包帯を巻いたり、縛って止血することは、血行を阻害して悪化させる可能性があるので、やめておいたほうがいいでしょう。

  • やけどをしてしまった場合はどうすればいい?
    ANSWER

    A. まずは患部をひたすら冷やすことが大切です。流水や保冷剤、氷袋、濡らしたタオルなどで冷やして、炎症がひどくなるのを防ぎましょう。ただし、流水で冷やす場合は、皮がはがれてしまうこともあるので注意が必要です。保冷剤は直接患部に当てるとくっついてしまうので、布でくるむなどすること。やけどの範囲が広いときは、清潔なガーゼなどでその部分を覆いましょう。組織が傷んでいると感染症にかかる可能性があるので、応急処置をした後は、薬を塗らないで病院へ。

  • ツメが割れてしまった場合はどうすればいい?
    ANSWER

    A. ツメから出血している場合は、脱脂綿や吸収パッドなどで2分ほど圧迫して、止血します。折れたツメがまだぶらぶらしている場合は、思い切ってツメを取ります。しかしその後、イヌが患部をなめたり、歩いたりすると、傷がひどくなることがあるので注意を。再出血を防ぐために、傷口にガーゼを当てて、上に綿を乗せ、伸縮性のある包帯で巻いておきましょう。脱脂綿は患部にくっついてしまうため、直接患部につけないように。ただ、創傷感染の恐れがあるため、包帯は24時間以内に取るようにしましょう。出血が止まりにくい場合は病院へ。また、止血ができたとしても、その部分から感染が起こることもあるので、病院に行くようにしましょう。

  • 骨折してしまった場合はどうすればいい?
    ANSWER

    A. 骨折したかもと思ったら、その部分には絶対触らず、すぐに獣医師に連絡して指示をあおぎましょう。自分達で手当てできるように思えても、骨折以外のケガの可能性もあるため、必ず病院に連れていき、状態を診てもらうことが必要です。骨が突き出しているようであれば、汚れは水で洗い流してもいいですが、それ以上は触らずに、清潔なガーゼなどで患部を覆ってすぐに病院へ。イヌを運ぶときは、毛布や数枚重ねにしたバスタオルを担架代わりにして、2人がかりで運ぶ方法が簡単。ケージに入れられるようなら、ケージごと運びましょう。

  • イヌに咬まれてしまった場合はどうすればいい?
    ANSWER

    A. 他のイヌに咬まれたら、すぐに相手の飼い主に狂犬病の予防接種の有無を確認しましょう。もししていないようであれば、連絡先を交換し、咬まれたイヌだけでなく相手のイヌも、すぐに病院へ連れていってもらうこと。咬まれたイヌは止血・消毒をした後すぐに病院へ連れていき、そのときのようすや現在の状態を説明しましょう。イヌはカラダが毛で覆われているため、出血がなかったり少なく見える場合でも、傷が深いこともあるので注意して。また、犬歯は左右にあるため、1つ穴を見つけたら、もう1つ穴があることがほとんどです。場合によっては大事に至ることもあるので、傷口をよく確認しましょう。

  • ハチに刺された場合はどうすればいい?
    ANSWER

    A. ハチに刺された場合は、炎症を軽減するために、氷を入れた水袋などで患部を冷やしましょう。ミツバチの針などがカラダに残っている場合は、ピンセットやトゲ抜きなどで抜きます。ハチに刺されたのが2度目の場合は、過剰な免疫反応のため全身ショック状態に陥る(アナフィラキシーショック)こともあるため、早急に獣医師に連絡して指示をあおぐこと。また、カラダを刺されるだけでなく、飛んでいるハチをパクッと食べようとして、口の中を刺されるケースも多く見られます。マズル(口吻)部分が腫れているときには、口の中をチェックすることを忘れずに。

  • 溺れてしまった場合はどうすればいい?
    ANSWER

    A. イヌが溺れることは少ないですが、沖のほうまで泳いでいって疲れてしまったり、高齢犬などで体力の弱っていたりする場合、溺れてしまうことがないわけではありません。万一溺れてしまった場合は、水から引き上げて、意識があるか確認を。意識がある場合は、タオルでくるんでカラダを温めます。意識がない場合は、水を吐かせて。その場合、イヌを寝かせて頭を低くすると、肺に入った水が出やすくなります。次に舌を引き出し、気道を確保したうえで、人工呼吸を。イヌを横向きに寝かせ、口を手で完全に密封して、鼻の穴から強く息を吹き込みます。1回3秒ぐらいを約1分間繰り返し、呼吸が再開しなかったら、もう1度試して。このとき、あまり強く吹き込みすぎないようにしましょう。その後は、できるだけ早く病院へ。そもそも、どんなに泳ぎが得意なコでも、泳がせるときにはライフジャケットを着せるのが基本です。

  • 急に脚を引きずり始めた場合はどうすればいい?
    ANSWER

    A. 思い切り走っている途中で、急に座り込んだり、脚を引きずり出したら要注意。この症状は、年齢に関係なく現れます。脚をひねっていたり、肉球にとげが刺さっていたり、骨折や脱臼を起こしていたり、さらには今まで症状はなくても、先天的に肘関節や股関節、膝関節の疾患を持っている可能性もあります。少しでも脚を引きずるようなしぐさが見られたら、即座に走るのをやめさせ、病院へ連れていきましょう。

  • 水遊び後、必ず下痢をしてしまう場合はどうすればいい?
    ANSWER

    A. 海や川で遊んでいると、ついつい時間を忘れて夢中になりがち。その結果、海や川の水を飲みすぎたり、お腹が冷えたりといったことが原因で、当日や翌日、下痢をしてしまうイヌが多く見られます。すぐに治るようであればそれほど心配する必要はありませんが、1日以上続くようであれば、獣医師の診察を受けましょう。下痢を予防するためには、適度な時間で水遊びを切り上げることが大切です。

  • ガムを踏んでしまったら、どうすればいい?
    ANSWER

    A. 外から帰ってきて、足の裏あたりを気にしていたり、ペロペロなめていたら、足の裏にガムがついてしまっていないか、肉球の間をよく見てみましょう。足の裏についたガムの取り方は、氷で冷やして固めて取る方法と、オリーブオイルやバターなどの油で溶かして取る方法の、2通りがあります。それでも取りきれない場合は、ガムがついている部分の毛を切るしかないでしょう。

  • 万が一、愛犬が逃げてしまったら…
    ANSWER

    A. 旅先でイヌがクルマから飛び出してしまい、そのまま行方不明…ということも、あり得ないわけではありません。もしも逃げてしまった場合には、まずは近隣の保健所や動物管理センター、交番、動物病院などに連絡をしましょう。また、万が一に備える意味でも、鑑札と狂犬病予防接種済票、飼い主の連絡先入りの名札を首輪につけておくこと。それに加えて、証明写真のようにシンプルな背景で、イヌの全身と顔を正面と左右から撮っておくと、いざというときイヌの特徴を伝えるのに使えます。普段から、月に1回ぐらいこうした写真を撮って、アップデートしておくといいでしょう。

イヌにもっとクルマを好きになってほしいという想いを込めて、快適で安全なカーライフにまつわる疑問について、できる限りお答えしてきたいと思います。「イヌはどうして窓から顔を出したがるの?」「クルマに酔うイヌとそうでないイヌがいるのはなぜ?」といった、素朴な疑問も大歓迎です。

水越美奈先生

獣医師。博士(獣医学)。
日本獣医生命科学大学獣医学部准教授/
付属動物医療センター行動治療科担当。
優良家庭犬普及協会常任理事。
JAHA認定家庭犬しつけインストラクター。